一つ犠牲にして、一つ得た話

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体験

この冬、僕は一つの別れを経験した。

これまで数年同じ部屋で過ごしてきた。どんな家族より共にした時間は長かった。

家に帰ればいつもそこにいて、それこそ寝るまで側にいてくれた。

朝起きて、君と離れるのがつらくてつい二度寝しちゃったりして。

仕事にいけないくらい具合悪い時もずっと面倒を見てくれた。

でも・・・もうさようならだ。

グッバイ・マイベッド・フォーエバー。

ベッドを捨てるに至った経緯

と言うわけで、去年の12月中旬に3年使ったベッド(通称:クリアベールさん)

粗大ごみに出した。

涙の別れである。

そもそもなぜベッドを捨てるに至ったかと言えば、単純なスペース不足だ。

翌年2月に出産を控えた妻と相談し、ベビーベッドをレンタルすることにしたのだ。

※余談だが、ベビーベッドはホクソンベビーからレンタルしている。レンタル時の組み立てサービスも超素早いし、返却時も事前の電話連絡一本でそのまま解体・回収してくれるそうなので非常に便利だ。

しかしながら、我が家は現在2DKの賃貸。

2人+1人の赤ん坊が寝るには6畳の寝室は狭く、当然壁をぶち抜く改装も出来ない。

となれば、何かを捨てるしかないだろう・・・。

そこで白羽の矢が立ったのがクリアベールさんだったというわけだ。

悪いな。そこには新たな命とその相棒が代わりに居座るのだ。

お前は夢の世界でジョンと一緒にお空を飛んでいるのがお似合いだ。

▲言うて空飛ぶベッドはあんまり使わない

さて、ベッドが無くなってしまってそのままと言うわけにもいかない。

フローリングの床に直で寝る事ほど体に悪い事はないと僕は知っている。

数回、いや数十回繰り返した酒による記憶飛ばし・二日酔い+床で冷えた体、

というコンボは労働意欲を著しく削ぐ状態異常と言って差し支えなかった。

早急に寝具の確保が必要と言うわけだ。

しかしこれ以上スペースを取る事は出来ない。

ベッドの代わりになるほど暖かくて、でもベッドほどスペースを取らなくていい、

そんな都合のいいものって・・・・

あるんだな、これが

そう、寝袋である。

山小屋じゃねーんだから、とか、実際寝れるのか?とか様々な不安はあるものの、

条件をクリアするのはこれしかない。

ということで、即決して買ったのがこれだ。ででん。snagpuk~。

縦幅220㎝、横幅160㎝。シングルベッドよりは小さいが、寝返りも打てる。

柄は迷彩。迷彩と書いて男のロマンと読む、創世記にもそう書かれている。

寝袋越しとはいえ直で床に寝ると硬いので、今はニトリの薄いマットレスを敷いているが、

これもゆくゆくはアウトドア仕様に変えたいものだ。

寝袋を買ってよかったこと

寝袋で寝起きをし始めて四半期がそろそろ経過しようとしているが、

使用感としてはかなり良い。

メリットを挙げてみたいと思う。

中がマジで暖かい

東京とはいえ、寒い日には0度近くなる事もあった今冬。

しかし寝袋で寝るにあたってはTシャツとボクサーパンツ1枚でなんとかなるレベルであった。

素材の保温性も良く、布団と違って内部の空間が完全に閉じているのですぐに体温で暖まる。

更にフードもついているので、少し縮こまれば頭まで暖かいで覆う事も可能。

これにより、僕自身は夜間の暖房を必要としなくなって、電気代の節約にもつながった。

収納がコンパクト化できる→スペースの有効活用

基本的に寝袋は登山での携行品として考えられているためか、

収納袋に入れた時になるべく省スペース化するようになっているようだ。

今回購入したsnagpukのものもご多分に漏れずそうであった。

きちんと入れればリュックサックに入るくらいなので、

急な来客があった時に押し入れのリュックサックの中に袋ごと収納することで、

スペースを確保する事が出来た。

なぜ急な来客があって慌てて仕舞う必要があるかと言えば、

僕がリビングに当たる部分で寝ているからなのだが・・・

まあ、そこは狭い家での制約だ。致し方ない。

マットレスも折りたたみ出来るので、来客に限らず普段の生活でも

容易に一時的な活動スペースの拡張が出来るというわけだ。

仮にARMSばりの自宅襲撃(4巻より)があってもこれを持ってすぐ逃げだせる。

▲未読時ワイ「この後、母親死ぬんだな」(死なない)

ちょっと痩せて、いびきが治った

ここに関してはたぶんプラセボ効果も多分にあり、寝袋での寝起きで1㎏弱痩せて、いびきも改善した。おそらく、元のベッドで寝るときの姿勢が良くなかったのだろう。とはいえこれは継続して効果があるかどうかは分からないので、いったん話半分で聞いてもらいたい。

寝袋を買ってよくなかったこと

では逆に、デメリットはなかったのだろうか。

記憶をたどると、わずかながら存在した。

毎日掃除しないとごみが目に付く

マットレス+寝袋という生活だと、就寝時はこれまでより数十センチ地面に近づくことになる。

そうなると、寝る前に床のゴミ・ほこりが気になってしまうようになった。

ある程度の高さまでほこりは舞うため、前も全く吸っていないとは言えないのだが、

ベッドで寝ていた時よりは容易に吸い込みうる場所にいるわけだ。

だがこれは掃除機を毎日かけるようにすれば解決出来そうだし、

何より掃除しないよりしたほうが生活には良いに決まっているので、

日々の清潔さの維持を促す点ではメリットと言えなくもない。

寝床が硬い

マットレスと寝袋なので、沈み込むようなスプリングのベッドを使っている場合は

合わないかもしれない。

まあ、僕の場合は元のベッドも相当硬かったので、あまり違和感は感じなかった。

なんというか、非日常感

おっと、メリットとしてもう一つ上げるのを忘れていた。

それは、「非日常感」「特別感」を演出できると言う事である。

キャンプは結構好きなので、寝袋で寝るのはそれを想起させて楽しい。

また、僕の場合、周囲には寝袋を常用して寝ている人はいなかった。

逆に言えば、他の人ができないような体験を常日頃出来ていると言う事になる。

これが実のところ、何とも言えず気持ちいい物がある。

最近はキャンプ用の道具(シングルガスバーナーとかね)で普段使いするような

動画も流行っているし、もはや寝袋の普段使いもそうした方向で流行らないかなあ。

そして「自分は結構先見の明がある」と周りに吹聴出来ないかなあ、

と考えたりして台無しの、そんな昼下がりである。

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