女王と睡眠狂騒曲(スリーピング・ラプソディ)

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体験

ちょうど半年ほど前、僕は古くからの友人に別れを告げ、一種のアウトドア生活を始めた

要するにベッドを粗大ごみに出して寝袋生活を始めたということだ。

寝袋生活開始から約4か月経った6月某日。僕はある感覚に襲われる。

「背中・・・痛い・・・・」

当たり前だが寝袋にスプリングやクッションという概念は付属していない。

更に、元々敷いていたニトリのマットレスも粗大ごみに出した。スペースを取るからだ。

それゆえ、床のハードな感触がダイレクトに背中に伝わってくる。

野生的な寝方をしているから、体の方はたまったものではなかったのだろう。

目、肩、腰がバッキバキになってしまった。岡田健史もびっくり

このままでは体があと半年後の復職まで持たないと思った僕は、

新たに寝具を買い、安らかに寝る場所を確保すべき、という結論に至った。

女王の必要性

さてマットレスを買う段になって、奥さんとの話し合いが始まる。

なんせそれなりに大きい買い物になので、自分一人の判断ではなかなか決められない。

僕は「まあとりあえずシングルでいいか、奥さんと子供のベッドはあるし」と思っていたのだが、

奥さん曰く

「ベビーベッドをレンタルし続けるのは勿体ない」

「別に夫婦別々の寝床である必要はない」

「子供が起きた時に二人とも起きた方が対応が楽」

「引っ越す時に荷物が少なくて済む」

などの理由により、シングルベッド×2ではなく、クイーンサイズのマットレスを買って

夫婦と子供の3人で寝る、という主張が出た。

なるほど、一人暮らしが長いと浮かばない意見だ。

尤もだと思ったので、言うようにクイーンマットレスを買うことに決定。

だが僕は日々、深夜帯(23時ごろ)にジムに出かけ、運動して1時ごろに戻ってくるという生活を

している。生半可なマットレスだと帰ってきたときに眠っている子供を起こしてしまうだろう。

というか、そんな状態で子供を起こさないマットレスなんて存在するんだろうか。

あるんだな、これが

そんな折、奥さん側からある商品の推薦があった。

Koala Mattress

である。

なになに・・・オーストラリア生まれの製品で、環境にやさしい。

何より独自構造で振動が抑えられるようになっており、

隣で思いっきり跳ねてもグラスに入れたワインがこぼれない!

だと・・・!これが真実であればまさに”顧客が本当に求めていたもの”なんだが。

「言っても、いざ届いたらバネがバインバインだったりカチカチだったりするんじゃないのぉ~?」

「高い買い物(クイーンサイズは10万円)慎重に行きたい」

「あまり聞いたことないメーカーだし不安・・・」

と訝しんでいると、公式サイトの下の方に

「120日間トライアル使用可能!返送無料!」

の文字が。

・・・まあ、本当にダメな製品だったら返せばいいってことだよね!買ってみよう!

結果はいかに

結論から先に書くと、すこぶる調子が良い。よく寝られる

良い買い物をした。15%割引でも85,000円のマットレスは伊達ではない。

使った感触としては、

 背中には特定の場所への圧力は感じられず、全体で支えられている感がある

 かなり厚め&低反発寄りで作られているので、膝を立ててもあまり沈み込まない

③ ②の沈み込まなさが徹底されていて、20㎝そばで乳幼児が寝ていても起きない

の3点が際立って好感を得た。

▲乳幼児もご満悦の様子

逆に使ってみて1か月経つが悪い点はあまり思いつかない。

強いて言えば、寝袋で寝ていた時と環境が違いすぎて寝すぎてしまうことくらいか。

(読者の皆さんはくれぐれも良い寝具で寝てくださいね)

これで僕の睡眠事情は改善した、めでたしめでたし・・・と思われた。が、しかし。

寝相が悪い問題

複数人で寝る場合に覚えておいてもらいたい問題が一つある。それは、

「寝相による他人の領土侵犯」である

僕は一般的に寝相が良い方で、コンパクトな場所でも寝られるよう適応したせいか、

ほとんど動かない。(死んでるようにも見える)

だが、奥さんはそうではない。結構動く方で、まだ0歳の子供も言わずもがなである。

(僕も昔はそうだった)

結果的にどうなるか。まずは、夫婦二人、子一人で寝た場合の理想的なパターンを示そう。

▲三等分が理想ではある

ご覧のように、川の字になって寝る、という理想的な構図だ。だが実際はこうだ。

▲2:2:1くらいの割合

肩身が狭いことこの上ない。お肉で言えば切り落としの部位だ。

特に子供の寝相が一番派手で、気が付くと2-3回転していることもある。

時にはシングルベッドよりも狭い状態で横を向いて寝るしかないという状況が起きうる。

これでは何のためにマットレスを買ったのか・・・と思うことも正直ある。

が、それでも後悔はしていない。このマットレスを買ったことにより、

奥さんと子供の睡眠事情も改善されているはずなのだ。それゆえの自由な寝相。

その代償と思えば安いものである。

いつか、僕も安らかに眠れるときが(なるべく早く)来るよう祈る、そんな雨の日であった。

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